ChatGPT EnterpriseのGPT終了に備えて企業が今やること

要約
ChatGPT EnterpriseとEduでは、9月25日から新規GPTの作成が止まり、12月11日に既存GPTの機能停止が予定されています。作成者や利用者、共有設定、連携機能を棚卸しし、移行先と運用責任を決める手順を整理します。
OpenAIは、ChatGPT EnterpriseとChatGPT Eduで提供してきたGPT機能について、9月25日から新規GPTの作成を止める予定を示しています。さらに、12月11日には既存GPTの機能を停止する予定です。
企業内で使われているカスタムGPTは、便利な設定の集合ではなく、業務手順や社内ナレッジへの入口になっている場合があります。
今回の変更は、個別GPTを作り足す運用から、誰が所有し、誰が使い、どのデータに接続し、停止後に誰が引き継ぐかを管理する運用への転換点です。利用中のGPTを放置すると、担当者不在や権限の不整合が移行時に表面化するでしょう。
この記事の対象読者
- ChatGPT Enterpriseを利用する企業や組織
- 社内GPTを業務で共有している企業や組織
- 生成AIの利用資産を棚卸ししたい企業や組織
- OpenAIの機能変更に備えたい企業や組織
- 社内ナレッジ運用を見直す企業や組織
9月25日と12月11日の機能変更
2段階で進む機能停止のスケジュール

OpenAIの案内では、2026年9月25日からChatGPT EnterpriseとChatGPT Eduで新しいGPTを作成できなくなる予定です。
すでに作成したGPTも、2026年12月11日には機能が停止される予定です。継続利用を見込む企業は、それまでに確認を済ませておく必要があります。
停止の対象になるGPTが、単なる試作なのか、日常業務で使うものなのかによって対応は変わります。たとえば社内規程を案内するGPTと、個人が試した文章作成GPTでは、確認すべき利用者や移行先が同じとは限りません。

GPTを業務資産として棚卸し
一覧化で残すべき情報

最初に行うのは、GPTの数を数えることではありません。業務への影響を判断できる単位で、作成者、利用者、目的、参照データ、共有範囲、更新頻度を一覧にしましょう。
担当者が分からないGPTを残したまま移行を始めないことが、最初の判断となります。利用者は、共有設定だけでなく実際の利用状況からも確認が必要です。
- 作成者と所有者、退職や異動後も管理できるか
- 利用者、部署限定か全社共有か、実際に誰が使っているか
- 業務目的、問い合わせ対応、文書作成、手順案内など何に使うか
- 接続データ、社内ファイルや外部サービスを参照しているか
- 更新責任、内容をいつ誰が見直すか
共有されていても誰も使っていないGPTや、少人数だけが日々使うGPTが混在している可能性があるためです。
廃止・保管・移行の三分類

棚卸し後は、GPTを「廃止」「保管」「移行」に分けます。判断に迷うものは、業務が止まった場合の影響、代替手段の有無、接続データの機密性を見て優先順位を付けます。
共有設定と連携機能の移行
権限とデータ範囲を先に確定する

GPTの移行では、指示文を別のチャットへコピーするだけでは足りません。共有設定と連携機能が、移行先でも同じ権限やデータ範囲で動くかを確認しましょう。
回答の再現性より先に、誰がどの情報へアクセスできるかを確定させること。移行先には、別のカスタムGPT、社内ナレッジ基盤、業務システムへの組み込みなどが考えられます。
- 全社共有、部署共有、個人利用のどれにするか
- 参照ファイルの保管場所と更新担当をどうするか
- 外部サービスや業務システムとの連携を継続するか
- 連携先に渡すデータを必要最小限にできるか
- 利用ログや回答の確認方法をどうするか
機能の近さだけで決めず、権限管理、データ更新、障害時の問い合わせ先まで比較してください。
| 確認対象 | 棚卸しで残す情報 | 移行時の判断 |
|---|---|---|
| 共有設定 | 利用者と共有範囲 | 現状維持か限定公開にする |
| 参照データ | ファイル名と更新担当 | 移行先で参照可能か確認する |
| 連携機能 | 接続先と送信データ | 継続、再設計、廃止を選ぶ |
| 運用責任 | 作成者と更新担当 | 担当者と代替担当を決める |
停止後の業務を先に決める

移行先を決める前に、GPTが止まった翌日の業務を確認します。利用者が必要とするのはGPTそのものではなく、規程を探すこと、問い合わせに答えること、定型文を作ることなどの業務結果です。
- GPTが停止した場合に止まる作業を洗い出す
- 手作業に戻せる業務と戻せない業務を分ける
- 代替手段で必要なデータと権限を確認する
- 利用者へ変更点と問い合わせ先を知らせる
- 移行後の回答品質を業務担当者が確認する
重要業務に使うGPTから確認し、利用頻度だけで優先順位を決めないことも必要です。月に数回しか使わなくても、契約確認や障害対応のように停止時の影響が大きい業務があるためでしょう。

自社対応で詰まりやすい箇所
所有者不明・権限不整合が起きやすいパターン
自社で進める場合は、GPTの一覧を作っても所有者が見つからない、共有設定と実際の利用者が一致しないといった問題が起きやすくなります。連携先の権限を確認できないケースも少なくありません。
担当者の記憶だけで確認すると、使われていない設定まで移行対象に残るでしょう。
- 作成者が異動し、更新責任が空欄になっている
- 利用者が複数部署にまたがり、業務目的が揃っていない
- 連携機能の接続先や送信データを把握できていない
- 移行後のテストを誰が担当するか決まっていない
外部の支援を使う場合は、GPTの移行作業だけを切り出すのではなく、現場の業務とデータの流れを確認してから要件を固めます。
BinxAI株式会社のみっちゃくんでは、提案の前に現場へ入り、課題の整理と現状の診断を行います。要件を整理したうえで詳細な見積を出し、契約後に要件が動いた場合も、決めた範囲の中で優先順位を入れ替えて対応する体制です。
- 課題の整理と現状の診断
- 要件定義と設計
- 開発と本番環境への展開
- 運用の引き継ぎと内製化の支援
- 担当者向けの研修

よくある質問
9月25日以降も既存GPTは使えますか?
新規GPTの作成停止が予定されています。既存GPTの機能は12月11日に停止される予定のため、継続利用を前提にせず、必要なものから移行計画を立ててください。
まず何を一覧化すればよいですか?
GPT名だけでなく、作成者、利用者、業務目的、共有設定、参照データ、連携機能、更新担当を一覧化します。停止時に代替が必要か判断できる情報を残してください。
カスタムGPTを別のGPTへコピーすれば移行できますか?
指示文だけでは移行完了になりません。参照データ、共有範囲、外部サービスとの連携、利用者の権限を移行先で確認し、業務担当者が回答をテストする必要があります。
利用者が少ないGPTも確認すべきですか?
利用者数だけでは判断できません。利用頻度が低くても、障害対応や契約確認など停止時の影響が大きい業務なら、代替手段と担当者を先に決めてください。
移行後の運用責任者は必要ですか?
必要です。データ更新、権限変更、回答の確認、利用者からの問い合わせを誰が担うかを決めないと、移行後に再び担当者不明の状態へ戻る可能性があります。
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GPTの終了は、個別の機能を置き換えるだけで終わりません。9月25日までに作成者と利用者を確認し、12月11日までに共有設定と連携機能、引き継ぎ先まで決めることが、社内の生成AI運用を止めないための出発点です。
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