BinxAI LogoBinxAI
    記事一覧に戻る
    公開: 更新:

    販売図面をAIで作る方法:間取り図の取り込みから広告用PDFまで

    販売図面をAIで作る方法:間取り図の取り込みから広告用PDFまで
    三浦CEO

    要約

    販売図面やマイソクの作成をAIで行う手順を、図面の取り込みから清書、担当者の確認、物件情報の反映、出力まで順番に解説します。外注との費用と時間の比較、手書きやFAXで届いた図面でつまずく理由と対処もまとめました。

    「先週出した修正、まだ返ってきていない」。販売図面を外注している会社で、よく聞く言葉です。

    1枚の図面を仕上げるまでに、依頼して、返ってきたものを見て、直したい箇所を文章で書いて、また送る。この往復が2回、3回と続くと、作業そのものより待ち時間のほうが長くなります。物件数が増える時期ほど、この待ちが効いてきます。

    この記事では、届いた間取り図から広告に出せる販売図面を作るまでを、AIを使う場合の手順として順番に説明します。かかっている時間と費用、外注とどちらが向くか、うまくいかない図面への対処までをまとめました。

    この記事の対象読者

    • 不動産会社で物件の販売図面やマイソクを作っている担当者
    • 図面の作成を外注していて、修正の往復に時間を取られている方
    • 手書きやFAXで届く図面が多く、そのたびに描き直している方
    • 物件数が増えたときに、今の作り方のままで回るかを考えている方

    販売図面の作成にかかっている時間と費用

    1枚あたりの内訳

    マイソク1枚を作る時間は、1枚あたり30〜60分が目安とされています。内訳は、物件データの転記が5〜10分、間取り図と写真の配置が10分、キャッチコピーと紹介文づくりが15〜20分、価格・面積・取引態様の表示確認が5〜10分です(boostx-inc.com)。内訳を足すと35〜50分で、ここに社内の確認や差し戻しの時間は含まれていません。

    賃貸の募集図面では、FAXやPDFで届いた図面を読み取って基幹システムやポータルに入力する作業に、1件40〜50分かかることが珍しくないという指摘もあります(unigain.co.jp)。

    1枚あたりで見ると短く感じますが、月40件を扱う会社なら、それだけで月20時間から40時間です。担当者が1人か2人という体制だと、繁忙期にはここが詰まります。

    外注に出した場合の費用と往復

    外注の相場は、マイソク1面でおよそ6千円台から5万円台という整理があります。間取図や地図が別料金の積み上げ型で、修正回数の上限や写真補正の有無で実際の負担が変わるとされています(ikeita.com)。比較記事では、ネット通販の会員コースで中古戸建・マンション・土地が1面5,900円、収益一棟が1面9,800円(いずれも税別)という例も紹介されています。この価格には初回のフォーマット作成料があり、依頼側の都合による変更は別料金です(ulsta.jp)。

    費用そのものより負担になりやすいのが、修正のやり取りです。直したい箇所は図面の上にあるのに、依頼は文章で書いて送ることになります。「洋室の右下の収納の表記を変えたい」と書いて、返ってきたものを見て、また書く。この往復が1回増えるたびに、掲載までの時間が延びます

    AI導入無料相談。顧客満足度95%、現場の業務負担60%削減、社内AI定着率60%向上今すぐ問い合わせる

    AIで販売図面を作る手順

    ここからは、AIを使って販売図面を作る流れを5段階で説明します。図面業務AI「ぶるぷりくん」の画面を例にしますが、考え方は他のツールでも共通です。

    AIで販売図面を作る手順。図面を取り込む、AIが清書する、担当者が確認して直す、物件情報と写真を入れる、PDFで出力するの5段階で進む
    取り込みから出力までの流れ

    1. 元の間取り図を取り込む

    元付会社や管理会社から届いた図面を、そのまま取り込みます。PDF、CAD、PNG、JPG、JPEGに対応しています。紙で届いた図面は、スキャンするか撮影して画像にします。

    ここで大事なのは、作図ソフトを新しく用意しなくてよいことです。今の環境のまま、手元にある図面から始められます。

    2. AIが清書する

    取り込んだ図面をもとに、AIが間取り図を描き直します。元の画像をそのまま貼るのではなく、部屋、開口部、設備を読み取ってから描き直すため、線の太さや文字の大きさがそろった図面になります。出力はPNGとSVGです。

    3. 担当者が確認して直す

    清書した図面は、必ず原図と見比べます。見る項目は毎回同じなので、チェックリストにしておくと抜けません。

    • 部屋の名前と帖数が原図と合っているか
    • 方位の向きが変わっていないか
    • 浴室・洗面・キッチンなど設備の位置と表記
    • バルコニーや収納の有無と位置
    • 寸法と面積の表記が原図と一致しているか
    • 読み取れずに抜けた箇所がないか

    ここを飛ばさないことが、広告に出す資料を扱ううえでの前提です。違っている箇所は、その場で画面上で直します。

    外注との一番の違いはここにあります。直したい箇所を文章で説明する必要がなく、気づいたその場で担当者が直せます。外注への再依頼と、返ってくるまでの待ち時間がなくなります。

    販売図面作成の画面。清書した間取り図に物件写真と販売価格や専有面積などの物件情報を組み合わせたプレビューが表示されている
    清書した間取り図に、写真と物件情報を組み合わせて販売図面にする画面

    4. 物件情報と写真を入れる

    物件名、販売価格、間取り、専有面積、所在地、交通を入力し、写真とキャッチコピーを添えます。価格や面積のような数字は、AIに推測させず、担当者が入力する形にしています。広告に出す資料で、数字を機械に埋めさせるのは危険だと考えているためです。

    テンプレートを選べば、体裁は自動でそろいます。物件ごとに配置を作り直す手間はなくなります。

    5. 販売図面をPDFで出力して共有する

    A4横のPDFとして出力します。そのまま印刷しても、メールに添付しても使えます。清書した間取り図はPNGとSVGでも取り出せるので、ポータル掲載用の画像としても使えます。

    外注とAIのどちらが向くか

    どちらが良いかではなく、案件の性質で分かれます。私たちは、判断の軸は単価ではなく修正の往復だと考えています。

    比べる項目外注AIで自社作成
    費用のかかり方1面ごとに6千円台から5万円台月額5,000円から
    できあがるまで翌営業日から数日社内の作業時間しだい。外部を待つ時間はない
    修正のやり方文章で依頼して待つ画面上で自分で直す
    向く場面枚数が少なく、体裁に凝りたい物件枚数が多く、修正が頻繁に入る物件
    必要なもの依頼と確認の時間図面のPDFか画像

    月に数枚しか作らない会社であれば、外注のほうが手間がかかりません。一方、月に数十枚を扱い、そのたびに修正が入るなら、往復の回数がそのまま掲載までの時間になります。自社の枚数と、1枚あたりの修正回数を数えてみると、どちらが向くかは見えてきます。

    外注とAIで自社作成の比較。外注は1面6千円台から5万円台で文章で依頼して待つ。自社作成は画面上で自分で直す。分かれ目は単価ではなく修正の往復
    分かれ目は単価ではなく修正の往復

    自社の枚数で計算してみる

    判断の材料は、自社の枚数を入れて計算すると見えます。ここでは、上で挙げた調査の数値をそのまま当てはめた単純計算を示します。実際の時間と単価は会社によって変わるため、目安として見てください。

    月の作成枚数自社で作る時間(1枚30〜60分)外注に出した場合(1面5,900円の税別で計算。初回のフォーマット作成料5,900円は別)
    5枚2.5〜5時間29,500円
    20枚10〜20時間118,000円
    40枚20〜40時間236,000円

    ここに修正のやり取りが加わります。ここでは仮に、1枚につき1回の修正が入り、依頼を書いて戻りを確認するのに15分かかるとします。月20枚なら担当者の手が5時間取られます。待ち時間そのものは担当者の作業時間ではありませんが、返ってくるまで掲載できないため、公開日は後ろへずれます。

    うまく清書できない図面とその対処

    AIによる清書は万能ではありません。あるAI間取り作成サービスは、手描きの間取り図、写真で撮影した間取り、解像度が低いなどぼやけている間取り図、壁が線で表現されている図面について、うまく認識できない場合があると自社ページに明記しています(madori.jp)。これはこのサービスについての記載ですが、私たちが支援してきた範囲では、読み取りにくい図面でつまずくこと自体はツールを問わず起こります。

    うまく清書できない図面とその対処。手書きやFAXの図面、ぼやけた図面は読み取りにくく、読めない箇所は担当者が入力する。読み取りにくい図面は先に整えてから通す
    つまずきやすい図面と、その場でできる対処
    • 手書きの図面は、傾きと影をなくして撮り直す。スキャンできるならスキャンする
    • FAXで届いた図面は、元付会社にPDFでの再送を頼めないかを先に確認する
    • 文字がつぶれている図面は、読み取れなかった箇所を担当者が入力する前提で進める
    • 初めて扱う種類の図面は、1枚だけ試してから運用に入れる

    清書の結果は、どのツールを使っても原図と見比べる工程が残ります。そこを省かない運用にしておけば、読み取りの誤りが広告に出るリスクは大きく減らせます。

    みっちゃくん。企業のAI導入を現場密着で一気通貫支援しますみっちゃくんを見る

    販売図面の確認と修正依頼と履歴管理

    販売図面は、作って終わりではありません。上長や別の担当者が確認し、直す箇所があれば戻し、完成版を共有するところまでが1件の仕事です。

    ぶるぷりくんでは、作成から確認、修正依頼、履歴の管理までを同じ画面で扱います。修正依頼の下書きと確認結果を、物件ごとにまとめて残せます。最新版がどれかをファイル名で判断する必要がなくなります。マンションのリフォームを伴う物件では、管理規約や現地調査書と図面を照合して、確認が必要な箇所を示すこともできます。

    最初の1週間の進め方

    • 1日目:直近で作った物件の図面を1枚取り込み、清書の結果と原図を見比べる。直した箇所を数える
    • 2日目から3日目:種類の違う図面を3枚から5枚試す。マンション、戸建、手書きの図面を混ぜる
    • 4日目:直した箇所に共通点がないかを見る。同じ直しが続くなら、その部分は確認の手順に入れる
    • 5日目:1枚を最後まで仕上げ、社内の確認に回す。掲載までにかかった時間を今までと比べる

    いきなり全件を切り替える必要はありません。今の作り方を残したまま、枚数の多い種類から順に移していくほうが、現場は止まりません。

    よくある質問

    手書きの間取り図でも清書できますか

    スキャンまたは撮影した画像を取り込めば清書できます。ただし、かすれや傾きがあると読み取りの精度が落ちます。撮り直しやスキャンで画質を上げてから取り込むと、修正の手間が減ります。

    清書した図面はほかのツールでも使えますか

    PNGとSVGで出力できるため、チラシやポータル掲載用の画像として使えます。CADのDWGやJWWへの書き戻しには対応していません。

    価格や面積をAIが間違えて入れることはありませんか

    価格や面積などの物件情報は、AIに推測させず担当者が入力する形にしています。広告に出す数字を機械が埋めない設計です。

    図面を外部に預けることになりますか

    図面や資料は外部に出さず、AIの学習にも使いません。取り込んだ資料は、その会社の図面を確認するためだけに使います。

    費用はどれくらいですか

    ぶるぷりくんは月額5,000円から利用できます。使う機能と利用条件は、お使いの図面を見ながらご案内しています。

    販売図面の作成は、1枚ずつでは小さな仕事です。それが月に何十枚と積み上がり、修正の往復が重なると、掲載までの時間になって表れます。まずは手元の図面を1枚取り込み、清書された結果と原図を見比べるところから始めてみてください。そこで直す箇所がどれくらいあるかが、自社に合うかどうかの答えになります。

    本記事の数値と各社の仕様は2026年9月時点で公開されている情報にもとづきます。最新の内容は各社の公式ページでご確認ください。

    この記事の分類

    同じ分類の記事をまとめて読めます。

    最新記事

    技術選定とセキュリティ井元

    AIエージェントを外部接続する前に確認したい5つの境界条件と設計の要点

    Google Geminiのサイバーセキュリティ試験で実在企業3社へアクセスした事例をもとに、AIエージェントの外部接続前に確認したいサンドボックス、ネットワーク、権限、監視、停止の5条件を整理します。

    依頼先の選び方と補助金井元

    AI導入支援はツール選びから実装力の競争へ 日本企業が今確認すべき選定基準

    OpenAIとAccentureをめぐる海外の議論から、ChatGPT Enterpriseの人材育成と業務別AIエージェント導入を一体で進める視点を整理します。日本企業がAI導入支援会社を選ぶ基準、研修を現場実装につなげる手順、ROIの見方、内製化まで具体的に解説します。

    最新動向井元

    ChatGPT EnterpriseのGPT終了に備えて企業が今やること

    ChatGPT EnterpriseとEduでは、9月25日から新規GPTの作成が止まり、12月11日に既存GPTの機能停止が予定されています。作成者や利用者、共有設定、連携機能を棚卸しし、移行先と運用責任を決める手順を整理します。

    依頼先の選び方と補助金井元

    社内システム構築をどこに頼むか 比較する軸と費用目安の整理

    社内システム構築をどこに依頼するか迷う企業に向けて、開発会社や支援会社を比較する軸、目的別の候補、費用の目安、契約前に確認したい範囲を整理します。生成AIや既存システム連携、運用定着まで見据えた発注判断に役立つ材料を紹介します。

    技術選定とセキュリティ井元

    100万トークンと音声・動画対応Qwen3.8 Omni Flashを企業はどう使うか

    AlibabaのQwenチームが公開したQwen3.8 Omni Flashは、テキスト・画像・音声・動画と最大100万トークンの文脈に対応します。企業が会議録や現場映像で試す際の評価項目と、API・オンプレミス運用の見極め方を整理します。

    技術選定とセキュリティ井元

    Step 5 Previewの性能とコスト 企業のAIエージェント運用に使えるか

    StepFunのStep 5 Previewが発表されました。600B規模のMoEモデルを企業のAIエージェントで使うとき、API利用と重みを使った自社運用をどう比較するか、GPU費用やライセンス確認を含めて整理します。

    AI導入の進め方井元

    単発回答から継続実行へAgentforce長期タスクの本番化設計

    Salesforce Agentforceが長期実行やマルチエージェント連携へ広がりました。単発回答で終わらせず、完了条件や途中承認、引き継ぎ、成果KPIまで設計して本番運用へ進める考え方を解説します。

    最新動向井元

    データを移さずAIを組み込むAWSとSalesforceの新連携

    AWSとSalesforceが発表した新連携は、CRMデータを大規模に移さず、Amazon BedrockのモデルやSlack、音声業務にAIを組み込む方向を示します。連携の事実と、権限設計や業務選定で確認すべき点を整理します。

    技術選定とセキュリティ井元

    AIエージェントの分岐判断を軽量モデルへ移す方法Jevが示す推論コスト分担の設計

    TypeSafe AIが発表したJevは、文章生成ではなく分類や操作選択に特化したモデルです。AIエージェントの推論コストを見直すため、公開情報の読み方、人の確認へ戻す基準、複数モデルの分担方法を解説します。

    技術選定とセキュリティ井元

    MCP接続と権限を一元管理WSO2 Agent Managerの実力

    WSO2が一般提供を始めたAgent Managerは、AIエージェント固有IDやMCP接続、権限、ライフサイクルをどう管理するのでしょうか。Kubernetes上のサンドボックスや監査ログを含め、複数部門へ展開する前の確認項目を整理します。

    最新動向井元

    AnthropicがClaudeを統合 長時間タスクと資料作成を一つの画面へ

    AnthropicがClaude Coworkと通常チャットを統合し、長時間のAIエージェント作業や文書・プレゼン資料の作成まで一つの画面に集約しました。企業が確認すべき権限管理、Enterpriseの通知、生成物レビューの進め方を整理します。

    AI導入の進め方井元

    AWS AgentCoreで企業AIエージェントを共通基盤で量産する方法

    AWS AgentCoreを使ってAIエージェントを複数部門へ展開する際の設計を、Wood MackenzieとMRH Troweの本番事例から整理します。認証、権限、監視、データ居住地を共通基盤にまとめ、個別開発を減らす進め方と判断基準を解説します。

    よく読まれている記事

    建設井元

    生成AI利活用計画書の提出が契約要件に。国土交通省が直轄の建設コンサル業務で義務化

    国土交通省は2026年度から、直轄の建設コンサルタント業務の特記仕様書に生成AIの積極的な利活用を明記し、受注者に「生成AI利活用計画書」の提出を求めます。入札の加点ではなく、受注後に負う契約上の要求事項です。建設コンサルタント会社・建設会社が今から整えるべき体制を、公表情報にもとづいて整理します。

    建設井元

    国交省が特記仕様書に生成AI活用を明記。直轄業務は利活用計画書の提出が前提に

    国土交通省は2026年5月以降、直轄の建設コンサルタント業務の特記仕様書に「生成AIの積極的な利活用」を明記し、受注者に「生成AI利活用計画書」の提出を求めます。対象業務と計画書の記載事項を整理し、建設会社が今期から着手できる導入ロードマップと、効果が出やすい適用領域をまとめました。

    調達・購買井元

    調達AIエージェントで何ができるか:見積依頼の自動化と、任せない判断の線引き

    調達AIエージェントに任せられる業務と、人が判断すべき業務を分けて整理しました。見積依頼の自動化から始めた場合の削減見込み、社内システムとの連携、失敗しやすい進め方まで、導入を決める前に確認することをまとめています。

    最新動向井元

    Grok 4.6ついに公開!GPT-5.6 Solと同水準モデルを低価格で提供開始!

    xAIが2026年8月12日に公開したGrok 4.6は、GPT-5.6 Solと同等の知能指数を持ちながら出力トークン単価を5分の1に抑えたモデルです。agentタスクや法律評価で優位性を示す一方、コーディング系では逆転される領域もあります。用途別の使い分け判断を具体的な数値とともに解説します。

    お気軽にご相談ください

    AI導入のご相談はお気軽に

    この記事の内容を、貴社の状況に合わせてご相談ください。