生成AI利用率は企業55.2%・個人26.7%。白書の数字を自社の稟議に使う形へ整理する

要約
総務省の令和7年版情報通信白書から、生成AIの利用率を数値で整理しました。個人26.7%(前年9.1%)、企業の業務利用55.2%、中小企業34%。日本・米国・ドイツ・中国の4か国比較とあわせて、社内で他社の進み具合を説明するときにそのまま使える形にしています。
総務省は2025年7月に令和7年版情報通信白書を公表しました。生成AIの利用実態を個人・企業の両面で、日本・米国・ドイツ・中国の4か国で調査した章は、政府の一次統計として日本の現在地を数値で示しています。検索で「令和7年版情報通信白書の生成AI利用率」「個人の利用率26.7%」「中小企業の34%」といった具体的な数字を探している方に向けて、白書の主要な数値をそのまま引用しながら、自社の判断に使える形で整理しました。数値の解釈と次の一手については、あわせて公開している別記事も参照してください。
この記事の対象読者

- 令和7年版情報通信白書の生成AIに関する数値(個人利用率26.7%、企業利用率55.2%、中小企業34%など)を正確に確認したい方
- 社内の稟議や経営会議で、生成AI投資の根拠として政府統計を引用したい経営企画・DX推進の担当者
- 自社のAI活用が業界全体や他国と比べてどの位置にあるかを把握したい経営層
- 白書の数字を「読む」だけで終わらせず、次の投資判断につなげたい方
個人の生成AI利用率:日本26.7%と国際比較
令和7年版情報通信白書によれば、何らかの生成AIサービスを使ったことがあると回答した個人の割合は、日本で26.7%(2024年度)でした。前年(2023年度)の9.1%から約3倍に伸びており、白書は利用経験が大幅に進展していると指摘しています。年代別では20代が44.7%と最も高く、若い世代を中心に利用が広がっている構図です。
一方で、同じ調査を実施した他の3か国と比べると、日本の水準は最も低くとどまります。生成AIを利用した経験がある割合は、次のように推移しています。
| 国 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|
| 日本 | 9.1% | 26.7% |
| 米国 | 46.3% | 68.8% |
| ドイツ | 34.6% | 59.2% |
| 中国 | 56.3% | 81.2% |
4か国すべてで利用が拡大していますが、伸びたあとでも日本と他国の差は大きいままです。総務省も、日本は個人・企業ともに生成AIの利用が拡大している一方、調査した他国と比べると低い水準にとどまると総括しています。この差は、単なる普及の遅れではなく、後述する「使い方がわからない」という導入の壁と地続きの問題として読むのが実務的です。

企業の生成AI利用状況:業務利用55.2%・活用方針49.7%
企業側の数値を見ると、何らかの業務で生成AIを利用していると回答した日本企業の割合は55.2%でした。用途では、メールや議事録、資料作成といった事務作業の補助が中心で、この用途での利用は47.3%にのぼります。個人利用率(26.7%)と比べると企業の利用率は高く、まずは定型的な事務作業から導入が進んでいる実態が読み取れます。
また、生成AIを「積極的に活用する方針」または「領域を限定して活用する方針」を定めている企業の比率は、2024年度調査で49.7%となり、前年(2023年度)の42.7%から増加しました。半数近い企業が方針を持ち始めている一方で、裏を返せば残り半数はまだ明確な方針を持てていない、という段階でもあります。
企業規模別:中小企業の活用方針は34%、大企業56%との差

活用方針の策定状況を企業規模別に見ると、差がはっきり表れます。令和7年版情報通信白書によれば、生成AIの活用方針を定めている企業の比率は、大企業で約56%に対し、中小企業では約34%にとどまります(2024年度)。全体平均の49.7%は、方針づくりが進んだ大企業と、遅れている中小企業を平均した数字だと理解すると、自社の位置づけが見えやすくなります。
この差は、中小企業に体力がないという話ではありません。私たちが現場で見てきた範囲では、方針が定まらない主因は「どの業務から、どこまでAIに任せるか」という線引きを決める起点がないことにあります。方針を先に固めた企業ほど、PoCの評価基準や横展開の判断が早い傾向があります。中小企業の34%という数字は、逆に言えば方針を先に定めるだけで上位層に入れる余地が大きいことを示しています。
日本企業が期待する効果:業務効率化・人員不足の解消が突出
白書は、日本企業が生成AIに期待する効果として「業務効率化・人員不足の解消につながる」が最も多く挙げられたと報告しています。国際比較でも、日本は効率化への期待が他国より際立って強いことが示されました。労働力不足を目の前の課題として抱える企業にとって、まず人手を補うという発想は合理的です。ただし効率化に偏りすぎると、新規事業や顧客価値の向上といった攻めの活用が後回しになりやすい点には注意が必要です。この「効率化志向の突出」をどう次の一手につなげるかは、別記事で詳しく整理しています。

導入の課題:使い方・セキュリティ・コスト
白書が挙げる導入・活用の課題は、上位から「一般的な利用方法がわからない」「セキュリティやプライバシーのリスク」「導入・運用コスト」です。個人が生成AIを使わない理由でも、「必要性や利用意義が不明確」「使い方が理解できない」が上位を占めており、企業・個人に共通して『どう使えば効くか』のイメージが持てないことが最大の壁になっています。裏返せば、対象業務を絞って小さく成功事例をつくることが、この壁を外す最短経路になります。
このデータを自社の判断にどう使うか
白書の数値は、社内の議論を前に進める材料として使いやすいものです。私たちが有効だと感じる使い方は次のとおりです。
- 現在地の確認に使う:自社の利用状況を「業務利用55.2%」「方針策定49.7%(中小企業34%)」と照らし、平均より上か下かを経営層と共有する。
- 投資判断の根拠に使う:政府の一次統計として、稟議や経営会議で生成AI投資の背景説明にそのまま引用できる。
- 方針づくりを先に進める:数値の議論で終わらせず、どの業務にどこまでAIを使うかの方針を先に定め、中小企業の34%より上の層を目指す。
- 効率化の先を設計する:効率化で積み上げたデータと知見を、価値創出型の活用へつなぐ順序をあらかじめ描いておく。

よくある質問
Q. 令和7年版情報通信白書で、個人の生成AI利用率は何%ですか?
日本で26.7%(2024年度)です。前年の2023年度は9.1%で、約3倍に増加しました。年代別では20代が44.7%と最も高くなっています。
Q. 企業の生成AI利用率はどのくらいですか?
何らかの業務で生成AIを利用していると回答した日本企業の割合は55.2%です。用途は事務作業の補助(メール・議事録・資料作成等)が中心で、この用途での利用は47.3%でした。
Q. 生成AIの活用方針を定めている企業はどのくらいですか?中小企業の34%とは何ですか?
活用方針を定めている企業の比率は全体で49.7%(2024年度、前年42.7%)です。企業規模別では大企業が約56%に対し中小企業は約34%にとどまり、中小企業ほど方針づくりが遅れていることを示しています。
Q. 国際比較で日本の生成AI利用率はどの位置ですか?
個人の利用経験率(2024年度)は日本26.7%、米国68.8%、ドイツ59.2%、中国81.2%で、調査した4か国のなかで日本が最も低い水準です。総務省も、日本は他国と比べて低い水準にとどまると総括しています。
Q. 令和7年版情報通信白書はどこで読めますか?
総務省の公式サイトで全文と概要が公開されています。本記事の参考・出典に、生成AIの個人・企業利用に関するページのリンクを掲載しています。

あわせて読みたい
白書データの読み解きと次の一手
参考・出典
令和7年版情報通信白書は、日本の生成AI利用が個人26.7%・企業55.2%まで伸びる一方、他国と比べれば低い水準にとどまり、中小企業では活用方針の策定が34%と遅れていることを政府統計として示しました。数値を眺めて終わりにせず、自社の現在地を確認し、方針づくりを先に進めることが、平均より上の層に入るための実践的な第一歩になります。
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